スタッフダイアリー

2009年10月15日

新型インフルエンザワクチン最新情報

 小児科領域で新型インフルエンザワクチンの最優先接種対象になるのは1歳以上の下記対象のお子さんです。妊婦と下記対象の方への接種開始は11月上旬を予定しております。(その他、未就学児や小学校低学年のお子さんは12月上旬から、1歳未満児の保護者の方や小学校高学年以上の方は1月以降に接種開始が予定されておりますが、状況により接種開始時期が変更になる可能性もございます。)
 基礎疾患で他院に通院中の方で、当院での接種をご希望の方は、あらかじめ主治医の先生とご相談の上、当院受付にご相談ください。

       小児科領域の慢性疾患
[最優先対象基準]
○以下の疾患およびそれらに準ずると医師が判断する疾患を有する児または者
@慢性呼吸器疾患(気管支喘息児、慢性呼吸器疾患) 
A慢性心疾患
B慢性腎疾患(慢性腎疾患、末期腎不全患者、腎移植患者)
C神経・筋疾患(脳性麻痺、重症心身障害児・者、染色体異常症、難治性てんかん)
D血液疾患
E糖尿病・代謝性疾患(アミノ酸・尿素サイクル異常・有機酸代謝異常・脂肪酸代謝異常)
F悪性腫瘍(小児がんなど)
G関節リウマチ・膠原病(自己免疫疾患、リウマチ性疾患)
H内分泌疾患(下垂体機能不全など)
I消化器疾患・肝疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、胆道閉鎖症葛西術後、肝移植術後など)
JHIV感染症・その他の疾患や治療に伴う免疫抑制状態(免疫抑制状態にある児)
Kその他の小児疾患(1歳以上の長期入院児、重症感染症後のフォローアップ中の患児)

どの分野にかかわらず、小児慢性特定疾患受給者証を持参している方。特定疾患対策事業の対象疾患受給者証を持参している方。

[背景]
○通常の季節性インフルエンザワクチンでは、0歳児の接種は有効性を示す確証は認められないとされており、1歳以上の小児が接種対象と考えられる。

1.慢性呼吸器疾患
○ 原則として「小児慢性特定疾患、難病医療対象特定疾患の医療証受給者」を対象とする。
○ 気管支喘息
 ● 喘息として軽症の場合でも、重症肺炎やインフルエンザ脳症の発症も報告されている。そのため、主治医の判断で、気管支喘息で継続して治療を受けているか、治療を受けていなくても経過観察のために定期的に受診している患者、現在は寛解状態にあるが5年以内に喘息で治療を1年以上定期的に受けた既往のある患者を優先する。
○ 慢性呼吸器疾患を有する児(気管支喘息を除く)
 ● 慢性呼吸器疾患(慢性肺疾患、神経筋疾患、先天性肺疾患、間質性肺炎、気管狭窄、肺低形成などを含む)と診断された児で生後12ヶ月以上が経過されており、現在も何らかの治療(酸素吸入や人工換気療法・利尿剤など)を必要としているか、誘因や悪化要因である疾患での過去1年以内の入院歴がある児。
 ● 1歳以上5歳未満の早産児の慢性肺疾患患児。

2.慢性心疾患
○ 先天性心疾患
 ● 有症状の先天性心疾患児。
 ● 症状のない先天性心疾患児で染色体異常や奇形症候群を伴う児。
 ● 症状のない先天性心疾患児であるが新型インフルエンザに羅患すると重症化すると考えられる場合(例:心以外の合併症を有する児。)
 ● 後天性疾患に伴う心不全、重篤な不整脈・心筋疾患で症状を有し何らかの治療を行っている児。

3.慢性腎疾患
○ 慢性腎疾患、末期腎不全患者(血液透析、腹膜透析患者)、肝移植患者(免疫抑制療法下)
 ● <慢性腎不全> 小児CKDステージ分類で3以上の患児。
 ● <ネフローゼ症候群> 小児ネフローゼ症候群でステロイド、シクロスポリンなどの免疫抑制療法を受けている患児。原病としては微少変化群、巣状糸球体硬化症、増殖性糸球体腎炎等。
 ● <IgA腎症> 血尿、蛋白尿を呈し、腎生検にてIgA腎症と診断され、ステロイド、ブレディニン、シクロポリンなどの免疫抑制療法を受けている児。
 ● <紫斑病性腎炎> 血尿、蛋白尿を呈し、腎生検にて紫斑病性腎炎と診断され、ステロイド、ブレディニン、シクロポリンなどの免疫抑制療法を受けている児。
 ● <末期腎不全患者・腎移植患者> 全例。

4.神経疾患・神経筋疾患
○ 脳性麻痺(特に、慢性肺疾患を持つ患児)
 ● 歩行不可能な運動機能低下、嚥下障害、摂食障害のある児全例。
 ● 身体障害者手帳1級、2級保持者。
○ 難治性てんかん・神経疾患
 ● <難治性てんかん> 発作が毎日ある、もしくは起こすと容易に群発、重積となり30分以上意識が戻らない可能性がある患児。
 ● <末梢神経障害> 四肢の障害または単一麻痺でも呼吸機能低下を伴う児。
 ● <脊髄性筋萎縮症> 脊髄性筋萎縮症など進行性の経過をたどる運動機能低下を示す児。
 ● <筋ジストロフィー> 先天性筋ジストロフィー、その他の呼吸筋低下あるいは心筋症を伴う筋ジストロフィーの患児。
 ● <先天性ミオパチー> 呼吸筋低下あるいは心筋症を伴うミオパチー患児。
○ 染色体異常症。(15歳まで)
 ● <染色体異常症、多発奇形> 染色体検査で異常のある児で成長障害があり、運動機能、呼吸/循環機能が不良の患児、もしくは大奇形を伴う患児。また過去に易感染性の既往のある患児。
○ 重症心身障害児・者
 ● <重症心身障害児・者>身体障害者手帳1級、2級保持者。

5.血液疾患

6.糖尿病・代謝性疾患

7.悪性腫瘍

8.関節リウマチ・膠原病

9.内分泌疾患
○ 内分泌疾患(下垂体機能不全など)
 ● <下垂体機能不全(複合下垂体前頭葉機能不全または中枢性尿崩症をさす)> 下垂体ホルモン(前葉ホルモン以外に抗利尿ホルモンを含む)のうち複数のホルモンの分泌不全を認め、1種類以上のホルモンの補充療法を受けている児。
 ● <慢性副腎不全・先天性副腎皮質過形成症> 副腎皮質ホルモン服用中の児。
 ● <甲状腺機能亢進症> 初発・再発を問わず、機能亢進状態または機能正常化後6ヶ月以内の児。

10.消化器疾患・患疾患
○ 消化管・栄養・肝臓疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、胆道閉鎖葛西術後、肝移植術後など)
 ● <炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)> 免疫抑制剤・免疫調整剤(副腎皮質ステロイド剤など)もしくは生物学的製剤を使っている場合、再燃を繰り返している、あるいは栄養不良の児。
 ● <胆道閉鎖症葛西術後> 術後の全例。
 ● <肝移植・小腸移植術後> 免疫抑制剤を使用している患児。
 ● <ウィルス性肝炎患> インターフェロン治療中の患児。
 ● <自己免疫性肝炎・進行性硬化性胆管炎> 免疫抑制剤を使用している患児。
 ● <肝硬変> 肝硬変は全例。

11.HIV感染症・その他の疾患や治療に伴う免疫抑制状態

12.その他の小児科領域の疾患
○ 1歳以上の長期入院児
 ● 1歳以上の幼児で6ヶ月以上NICUに入院中の児。
 ● 在宅での医療を行っている1歳以上の児。
○ 重症感染症後のフォローアップ中の患児
 ● <重症感染症後でフォローアップ中の患児> 急性脳炎、急性脳症、細菌性髄膜炎、敗血症、骨髄炎、重症肺炎などに羅患し、定期的に診療を継続している児。

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